2010年08月22日

名脇役 「アセトバクター桿菌」 のユニークな働きA




カスピ海ヨーグルトの中では、クレモリス菌と、アセトバクター桿菌という

まったく違う性質をもつ2つの菌が、互いに助け合いながら増殖しています


カスピ海ヨーグルト作り.bmp

アセトバクター桿菌は、乳酸菌ではありません。

エタノールから酢酸をつくる酢酸菌の仲間で、「好気性」 という性質を

もっています。



「好気性」 というのは、酸素がなければ増殖できないということです。

なので、牛乳とネタを入れたあと、密閉容器のなかの酸素を人工的に取り

除いて、酸素のない状態にすると、好気性のアセトバクター桿菌は、増殖

しません。



しかし、、ヨーグルトをつくるのは、クレモリス菌なので、ヨーグルトは

ちゃんとできます。


逆に、表面が空気に触れる状態で、ヨーグルトをつくると、ヨーグルトの

表面がクリーム色の膜でおおわれた状態になります。


この膜を顕微鏡で観察すると、ほとんどがアセトバクター桿菌からなって

いることがわかっています。



ということは、好気性のアセトバクター桿菌が、酸素を求めてヨーグルトの

表面近くで、集中的に増殖したわけです。



菌の数は、ヨーグルト1gあたり、表層部では1億個以上になります。


アセトバクター桿菌は、牛乳と空気に触れると、表面を中心に増殖します

その結果、牛乳の中の酸素は消費されるし、空気と触れる面が、アセトバク

ター桿菌でおおわれるために、ヨーグルト内部は、酸素が少ない状態に保た

れます。


それによって、クレモリス菌による粘性多糖体が大量に生み出されると同時

に、粘性も保たれると思われます。


カスピ海ヨーグルト.jpg

カスピ海ヨーグルト独特の粘りをつくる粘性多糖体は、酸素があると不安定

になると言うことは、粘り気を出すには、酸素がないほうが有利ということ

になります。



うまい具合に、相棒のアセトバクター桿菌が好気性なので、増えるときに

一生懸命に酸素を消費してくれるし、酸素を取り込みやすい表面で増殖する

ので、ちょうど天然のフタのようになって、ヨーグルトの表面をおおって

くれます。


アセトバクター桿菌でフタをされた状態のヨーグルトの内部は、空気が少な

い状態になって、しかもそのフタのおかげで、新たな空気は入りにくい。


クレモリス菌が増えるのにも、よりよい条件となるわけです。

そこで、粘性多糖体もたくさんつくり出され、あの粘りが保たれるという

わけです。





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